浜崎あゆみ 3rd ALBUM



Duty




duty:義務。本分。職務。任務。祭務。
良心・道徳・法律などに従って行わなければならないこと。


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『週刊ポスト』2000年12月22日号、36〜39頁より抜粋。改行・太字化は青狼会。

 「男(佐藤宣行)はいうことに従わないと、スタンガンをちらつかせ、腹や腕などに押し当ててきました」
 「両足を粘着テープで縛られました。でも、次第に逃げようと思う気持ちがなくなり、(テープで縛られなくなったあとも)見えないテープが手足に巻かれているような感覚でした」
 「もう、地獄に来てしまったという気持ちでした。生きていくためには男のいうとおりにしなければならないと思って、従うことにしました」

 「とても暑い夏があって、水がないことが3日続いて、死にそうになった。汗がでなくて、体が熱くなり、皮膚がガサガサになった。次の日に、ウーロン茶のペットボトルをもらって飲んだら、体の細胞の隅々まで行き渡るのがわかった……」

 「(お母さんが佐藤と)一緒の部屋で同じ空気を吸うと、(お母さんが)汚れるような気がする。明日、(裁判が終わって)私に会うときはお風呂に入って体を洗って欲しい」

 「何年かたったら(佐藤は)出てくるだろうけど、私の前からも、母親の前からも、姉妹の前からも、すべての人の前からいなくなって欲しい」

 佐藤被告はナイフで脅してA子さんをつれ去り、自宅2階の自室に監禁。そして、徹底した暴力でA子さんを服従させた。第1回公判で明らかになった佐藤被告の供述調書によれば、「9年間で、700から800回は殴った」とされており、A子さんの体にはアザが絶えなかったという。
 監禁中、A子さんが与えられていた食事は、1日にコンビニ弁当1個だけ。誘拐された時に43キロあった体重は、発見時には33キロにまで落ちていた。また、与えられたTシャツなどの衣服も、ボロボロになるまで何か月も着せられ、9年間でシャワーを浴びたのも1回のみだった。
 自宅1階に住んでいた母親に気づかれるのを恐れた佐藤被告は、大声を出すなと命令。A子さんは殴られて声が出そうになった時も、服や布団を噛みしめて耐えたという。

 以上が裁判で明らかになったA子さんの肉声と、事件の詳細であるが、さらに、本誌の現地取材によるA子さんの近況を報告しよう。

 ある親族の話によれば、A子さんは、歌番組などテレビもよく見ており、流行の歌にもかなり詳しくなっているという。
 一番のお気に入りは浜崎あゆみ。父親から買ってもらったCDを繰り返し繰り返し聞いては、口ずさんでいる。

 佐藤被告の刑期は、「起訴されている容疑は、未成年者略取、逮捕監禁致傷、窃盗(下着の万引き)ですから、検察側の求刑は最高で15年。心神耗弱が認められれば7年6か月となります」(帝京大学教授で元最高検検事の土本武司氏)

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ジュディス・L・ハーマン著、みすず書房発行、『心的外傷と回復』より

 「回復過程における最初の課題とは被害者の安全を確保することである。この仕事は他のどのようなものにも勝る第一の優先順位である。安全がじゅうぶん確保されていないのに他の治療作業が成功することはありえない」(248頁)



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