被告「北 健一」準備書面(1) |
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平成16年(ワ)第11268号 損害賠償等請求事件
原 告 佐 藤 聡
被 告 田 中 弘 尚
外 3 名
準 備 書 面(1)
2005年4月14日
東京地方裁判所民事第1民事部合1係 御中
被告田中弘尚訴訟代理人
弁護士 和 久 田 修 印
同復代理人
弁護士 寒 竹 里 江 印
記
1 被告田中答弁書第2、1、(2)の趣旨について
( 1 )一般に新聞や雑誌の記事のうち社員記者が執筆するものは、署名、無署名を問わず、編集段階で大幅に直して完成、掲載されるものである。原型をとどめないほど修正されることさえあり、著作権も記者個人にではなく新聞社等に属する場合が多い。
大幅に直される元の原稿のことを「データ原稿」と呼ぶ場合もあるが、これは元の原稿はデータにすぎず、編集段階で大きく肉付け、加筆、修正されることを示している。そうした加筆は、筆者ではなく、いわゆるアンカーマンや編集者によって行われる。
( 2 )原告が名誉毀損と主張する『SENKI』等の記事のうち、被告田中が執筆したとされるもの(以下、「本件記事」という。)は、被告田中が元になる原稿を執筆したことは事実であるが、その後他の人々による大幅な修正、編集作業を経たものであり、原告が訴状において、名誉毀損部分として主張する部分は、被告田中が直接書いたものではない。
( 3 )なお、被告田中は、2000年(平成12年)にブントをやめているが、その翌年5月末に、本件記事が、ブントのホームページにアップ(掲載)されている、とのことである。かかる事実は、被告田中は全く認識しておらず、このことからしても、本件記事の著作権が被告田中にはなく、被告田中は、本件記事が上記ホームページに掲載されたことについて、何ら責任を負ういわれはない。
2 被告田中の主張
( 1 )請求原因事実に対する否認
前述のように、原告が主張する本件記事の名誉毀損部分は、被告田中が執筆したものではなく、被告田中は不法行為責任を負わない。
( 2 )予備的抗弁(消滅時効の成立)
被告田中は、2001年(平成13年)5月末の本件記事のホームページ掲載に関して、何らの関与もしていない。
したがって、仮に、本件記事の内容が名誉毀損を構成するとしても、本件記事が最初に『SENKI』に掲載された1999年(平成11年)11月15日からは(この時に、原告は、本件記事が掲載された事実を認識しているはずである。)、3年が経過しているので、すでに消滅時効が完成している。
以 上
佐藤注記
要するに、自分の署名記事の文責は自分ではなく編集者にあるのだという驚くべき主張。フリーライターの風上にも置けない無責任な言い逃れである。
自分が編集者なら、訴訟沙汰になった途端にこんなことを言い出す「ジャーナリスト」には、とてもじゃないが危なくて仕事など頼めない。
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