「ブント」活動家に依頼された探偵委任状を偽造して逮捕・有罪! |
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佐藤悟志の実家の戸籍謄本及び同附票(つまり佐藤悟志及び佐藤の家族全員の住所)を入手しようと、佐藤の母親名義の委任状を偽造・提出した興信所の探偵が、逮捕・起訴されて有罪判決を受けた事件について簡単に報告します。
ちなみにこの調査費用を興信所に振り込んだのは「ブント」活動家の「野本陽吾」(戸籍名)だったという警察の捜査報告書が、前田浩喜・器物損壊裁判に証拠として提出されています。
佐藤の住所が分からないため、活動家時代に報告させた実家から辿ろうとしたようですが、これから「ブント」に入る皆さんは、組織に実家について教えるのは慎重にすべきでしょうね(笑)。
犯人の男Dは興信所を経営していましたが、2001年11月末頃、佐藤悟志に関する調査を依頼されて承諾し、その調査のために委任状を偽造して佐藤悟志の戸籍謄本を入手しようと企みました。
12月4日頃、Dは自宅であらかじめ作成しておいた委任状用紙の上部住所欄に佐藤の実家の住所、氏名の欄に佐藤の母親の名前をボールペンで書き込み、「佐藤」と彫ってある印鑑を押して、「佐藤の母親がDに対して佐藤の父親の戸籍謄本及び同附票の交付申請手続を委任した」という趣旨の委任状1通を偽造しました。
そして2001年12月6日午前11時55分頃、横浜市××区役所において佐藤の父親の戸籍謄本及び同附票の交付申請を行った際にこの偽造委任状を提出し、あたかも佐藤の母親に申請を依頼されたかのように装って戸籍謄本と附票を手に入れようとしたわけです。
しかし、おそらくDは知らされていなかったのでしょうが、すでに11月8日、同じ区役所で、正体不明の女が「佐藤悟志の職場の同僚だ。佐藤に頼まれた」などとウソをついて佐藤の住民票をだまし取ろうとした事件が起きていました。そのこともあって不審に思った区役所の職員が偽造を見破り事件は発覚、Dは駆けつけた警察官に逮捕され、20日ほど勾留された後の12月26日に有印私文書偽造、同行使の罪で起訴されました。2002年3月18日に一審の横浜地裁はDに懲役一年、執行猶予三年の有罪判決を宣告。Dは控訴せず、有罪判決は4月2日に確定しました。
Dの行為のうち、有印私文書偽造の点は刑法159条1項に、偽造有印私文書行使の点は刑法161条1項(159条1項)にそれぞれ該当します。
Dは以前から経営していた興信所の仕事に関連して本件同様の行為を繰り返していたことを認めており、自宅のガサ入れで数十本の他人名義の印鑑が見つかったことなどからも、常習的犯行だったことは明らかです。前科前歴はなかったそうですが、それは単に日本の行政が個人情報の保護に対して全く無能であり、なおかつ犯罪者による不正入手に対して全く無防備であるということを示しています。ダメ行政の建て直しと犯罪対策の高度化が早急に必要です。
また判決文によると裁判所は「被告人は、本件により逮捕勾留され正式裁判を受けたことなどから、認識の甘さから本件犯行に及んでしまったことや委任状を偽造された者らに多大な迷惑をかけたことを深く反省しており、今後は、興信所の仕事をやめてまじめに働き、二度と罪を犯さないことを誓っているなどの被告人に有利な事情も認めることができる。」としてDに執行猶予を与えました。ところがDの経営していた興信所は、無反省にもいまだにネット上に宣伝用ホームページを開設し続けています。
こうした犯罪者を使って批判者の所在を調査しようとする盗聴ブントの清算も重要ですが、犯罪者の口先だけの謝罪や反省に簡単に騙される刑事司法の在り方にも、そうとう問題があるようです。犯罪者ばかりが得をして、すべてのツケが犯罪被害者に押し付けられる「犯罪天国日本」の腐敗した現実は、もはや「有事」と認識すべきなのではないでしょうか。