「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク」(RENK)の呼びかけ文



中国当局は北朝鮮難民への虐待を中止せよ!




中国当局による「難民狩り」に対して、
緊急抗議行動を呼びかけます!!
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中国大使館への抗議行動
●2001年7月12日(木) 午後4時15分〜
●東京:中国大使館前にて

■中・朝国境地域からの情報によると、ギルス一家がUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)北京事務所に駆け込んだ直後から、中国当局は北朝鮮難民に対する「難民狩り」、すなわち逮捕・強制送還攻撃を猛烈に強化しているとのことだ。
 これまでにも、中国当局は地元公安局(一般警察)や辺境防衛隊(国境警備隊)を動員し、年に数回、北朝鮮難民や難民を匿った朝鮮族世帯に対して、集中的な捜索を行ってきた。とはいえ、従来は「キャンペーン期間」以外に積極的な取り締まりを行うことは珍しく、また、逮捕された場合にも、現場の公安員に賄賂を渡して「お目こぼし」を求めることも不可能ではなかった。
 だが、今回の「難民狩り」は、これまでとは大きく異っている。延吉市をはじめ中・朝国境地域の主要都市では、毎日100人規模で北朝鮮難民が逮捕され、そのすべてが北朝鮮に強制送還されているという。逮捕のやり方も、タクシーを一台一台停めては、乗客の身分証を確認しているとのことだ。もちろん賄賂は通用せず、朝鮮族の親戚による面会も厳しく拒絶されている。被逮捕者の規模や取り締まりの手段としては、まさに空前の態勢と言える。
 現地事情通によれば、その背景として、「ギルス一家事件」の直後に北朝鮮当局から「難民狩り」強化の要請がなされ、吉林省の公安当局が政府中央から同事件に関して叱責を受けたなど、さまざまな要因が取りざたされている。
■とはいえ、「ギルス一家事件」は、あくまで取り締まり強化の「きっかけ」に過ぎない。
 北朝鮮から中国への人口流出が目立つようになって、すでに5年以上が経過した。1997〜98年のような大規模流出は影を潜めたものの、それでも毎年、少なからぬ人々が国境を越えている。同時に、中国内に残留・定着する北朝鮮難民も年々増加し、その数は万単位を越えている。中国、北朝鮮双方にとって、遠からず手を打つ必要があった。
 実際、北朝鮮難民問題に対する中国当局の対応は、年々悪化の一途をたどっていた。今年4月には、韓国の北朝鮮難民支援団体「よき友人たち」の会員4人が、中国政府にスパイ容疑で逮捕され、およそ二ヶ月にわたる尋問と拷問を受け、強制追放される事態も生じている。
 ブッシュ米政権への対抗という共通の利害のもと、中国と北朝鮮は相互の緊密な関係を必要としている。人権問題という弱点を抱える双方にとって、中国に在留する北朝鮮難民の存在と難民支援団体は、まさに「目の上のこぶ」なのだ。
■北朝鮮難民は、何も好んで中国に「不法越境」「不法在留」するわけではない。それは、北朝鮮当局の経済的失政=飢饉と独裁政治から逃れ、生き延びるための止むを得ない選択である。ギルス一家がUNHCRに駆け込んだのも、国際諸法規を無視した中国当局の対応から身を守る最後の手段である。まさに北朝鮮と中国こそが、北朝鮮難民を「不法越境者」や「不法在留者」に追いやっているのだ。
 このように、北朝鮮当局にも中国当局にも、北朝鮮難民問題を解決する能力がないとすれば、差し当たり問題解決の主体となるのはUNHCRである。「ギルス一家事件」への対応と同じく、苦境にある北朝鮮難民の立場に立って、中・朝双方への説得をはじめ、必要な手段を講じるべきである。
 ところが、北京の消息筋によれば、驚くべきことに、UNHCR北京事務所はこうした「難民狩り」や強制送還の事実を十分把握しているにも関わらず、一向に事実を公表しないばかりか、「難民狩り」に対する抗議も調査も行う意志がないという。中国当局への配慮だろうが、自らの任務を忘れた「ていたらく」と言う以外にない。
■ともかく、事態の緊急性に鑑み、中国政府に対して、難民狩りを即時中止させるよう、われわれ民間団体が率先して声をあげ、行動を起こす必要がある。心あるみなさんのご参加をお願いする。

救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)



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