浜崎あゆみ 24th SINGLE



Dearest





Ah−いつか永遠の 眠りにつく日まで

どうかその笑顔が 絶え間なくある様に


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2001年9月21日付朝日新聞より

「墜落する」「いい人生を」「かかれっ」
 機上から「最期」の電話


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  アメリカン11便   92名  
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 午前8時前、滑走路に向かう機内から、ハイテク企業の役員グレーザーさんは携帯電話で妻を呼び出した。「ハニー、間に合ったよ」
 約15分後、管制官が上昇を指示。だが、反応がない。「こちらボストン。聞こえるか」
 機体は急に南に針路を変える。客室乗務員が地上の上司に電話。「乗客が刺された」。機長か副操縦士が、無線のスイッチを入れた。
 「我々は、ほかにも飛行機を持っている」。強いなまりのある英語が管制官の耳に飛び込んだ。
 急降下する機体は世界貿易センター北棟に突っ込んだ。
 ニュースをみたグレーザーさんの妻は4歳の息子に話した。「パパは死んだのよ」。息子は尋ねた。「パパを直せないの?」


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  ユナイテッド175便   65名  
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 離陸から約20分後に予定航路を外れた。乗客の男性(32)は携帯電話で親類に「ナイフを手にした男たちが乗務員を刺した」と伝えた。「墜落する」。電話は切れた。
 ボストン大学を首席で卒業し、就職先に向かう女性、娘の結婚式に出るために乗った父親もいた。最初の激突でビル北棟が燃える中、南棟に激突した。


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  アメリカン77便   64名  
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 「あなた、ハイジャックされたわ」。米CNNテレビのコメンテーター、バーバラ・オルソンさんが、夫のセオドア・オルソン訴務長官に電話をした。離陸から1時間余りが過ぎていた。
 ナイフやカッターを持った犯人が操縦室を占拠。元海軍パイロットの機長ら乗員と乗客は客室後部に押し込められた様子だ。「機長にどうするように言えばいいの」。バーバラさんの最後の言葉だった。高度を下げた旅客機は国防総省に突っ込んだ。


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  ユナイテッド93便   44名  
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 9時半ごろ、クリーブランド上空でUターンし、東に針路を変えた。
 ナイフを持った男たちが操縦室に乱入。アラビア語なまりの英語で機内放送が流れた。「こちらは機長。爆弾があります。空港に戻ります」
 乗客のジャーミー・グリックさんは自宅に電話し、妻に尋ねた。「ハイジャック機が世界貿易センターに突入したというのは本当か」
 「しばらくしてグリックさんから再び電話がかかった。「乗客同士で抵抗するつもりだ。命を落とすことになる。いい人生を。娘を頼む」
 トッド・ビーマーさんは、米連邦捜査局(FBI)に機内の様子を伝えた。取り次いだ電話交換手に「祈ってくれ」と言った後、彼の声が聞こえた。「みんないいか。かかれっ」。数人で犯人らに飛びかかったらしい。
 そのころ空軍機が追尾していた。「撃墜する権限を与える」という大統領命令が下されていた。10時10分、ペンシルベニア州の山林に墜落。ワシントンまであと400キロの地点だった。ホワイトハウスは撃墜を否定している。


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2001年10月21日付朝日新聞より

テロ犯と闘った乗客の妻 夫たどる「未来への旅」

 [ロサンゼルス20日=伊藤千尋]同時多発テロでハイジャックされた飛行機で、テロ犯の意図をくじいた乗客の妻が19日、同じ飛行機便に乗り、夫の最後の旅の跡をたどった。「私にとって、未来に向かう旅です」と語りつつ。

同一の航空便に乗り

 この女性はリサ・ビーマーさん(32)。「事件以来、夫が飛行機で何を考えていたのか、そればかり気になっていた。旅を決心するまでに6週間かかりました」と述べ、ニューヨーク近郊からサンフランシスコまで、夫と同じユナイテッド航空機に乗った。
 夫のトッドさん(当時32)は、IT関連会社の経理担当で同航空機で出張中、ハイジャックに遭った。座席に備え付けの電話で電話会社の交換手に機内の様子と乗客数人で反撃することを伝え、「みんないいか、かかれ」の声を残して散った。同機はピッツバーグ郊外の山林に墜落。トッドさんたちが犯人に飛びかかったため、地上を巻き込む大惨事が避けられたとみられる。
 ユナイテッド航空は、機内のリサさんの座席に備え付けてあった電話に覆いをかけて迎えた。「彼女が唯一、見たくないものでしょうから」と。
 サンフランシスコ空港に着いたリサさんは、「失ったものは大きいけれど、私は立ち向かって行きます。前を向いて」と語った。
 サンフランシスコでは夫の友人に会い、夫の名を付けたトッド・M・ビーマー財団への寄付を訴えた。財団は、事件で親を亡くした子どもたち22人の養育を助ける。
 リサさん自身、1歳と3歳の2人の息子を抱える。おなかには来年1月に生まれる予定の、3人目の子もいる。
 テロ事件以来、飛行機の乗客は減っている。この時期に飛行機に乗った理由を聞かれて、リサさんは言った。「全米が再びテロにおびえている今、恐怖と闘うことを人々に訴えたかった」


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2002年1月11日付朝日新聞より

米テロ犯と闘った乗客の妻、出産

 [ロサンゼルス10日=伊藤千尋]同時多発テロでハイジャックされた飛行機内でテロ犯に飛びかかった乗客の妻が9日、米ニュージャージー州の病院で女の子を出産した。亡き夫のミドルネームをとって、モーガンと名付けた。

 母親はリサ・ビーマーさん(32)。生まれたのは3170グラム、身長53センチの健康な子だった。リサさんには2人の息子がいるが、女の子は初めてだ。
 夫のトッドさん(当時32)は、乗っ取られたユナイテッド航空93便の機内電話を通じて交換手に機内の様子を伝えた。「みんないいか、行こう」の声が、最後だった。
 機はピッツバーグの山林に墜落し、トッドさんを含む全員が死亡した。しかし、ホワイトハウスなどを狙ったと言われるテロを阻止し、地上を巻き込む大惨事を防いだ。
 「行こう(レッツ・ロール)というのは、家族で外出するときの夫の口癖でした」と、リサさんは思い起こす。「何も残さずに亡くなる方が多いのに、夫は(地上の)人々の命を救うという大いなる遺産を子どもたちに残してくれました」



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